2020年11月20日

CO2ボンベの危険性と安全な取扱い方法

こんばんは。

日頃は、カーボネイト製品をご愛顧いただきありがとうございます。
STGA認証品としてカーボネイト製品の販売を開始してから間もなく3年が経ちます。
当時と今を比べると、僅か3年の間にCO2ガスガンを取り巻く環境が大きく変化していることに驚くばかりです。特に今年2020年になり、CO2ガスガンの認知度と流通量が「熱狂」とも言っていい勢いで加速しているように感じています。
そのような背景があってか今春より今日に至るまで、弊社製品についてのお問い合わせに加えて、
「CO2ボンベの安全な取り扱い方」や「CO2ボンベそのもの」についてのお問い合わせが日を追うごとに増えてきております。


今回はそのような基本的かつ重要なご質問に対して、お応えできればと考えております。


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【CO2ボンベは危険?】

「安定した動作」
「気温の変化を受けにくい」
「リコイルショックの楽しさ」

などなど…

CO2ガスガンには新しい魅力があることは確かなのですが、今後CO2をパワーソースとしたエアガンを業界のみならず広く世の中で認知してもらい定着させるためにも、今こそ、その「危険性」と「正しい取り扱い方」について一人でも多くのユーザーの方に知っていたくことが必要だと感じています。それが事故を未然に防ぐ一番の抑止力になると弊社は考えております。


当然ですが、CO2ガスガンはCO2ボンベの存在が大前提となります。
この大前提であるCO2ボンベの「危険な可能性」を今日はご紹介します。

エアガンに使用するCO2ボンベは全長約8cm程度と小型ですが、「高圧ガス」であり「危険なもの」であることには変わりありません。
無駄に不安を煽る意図はないのですが、この「危険である」ということを出発点にすることで「安全に利用する」ための正しい知識と行動を身に付ける第一歩になると弊社は考えています。CO2ボンベは、どれほど高い品質管理基準で製造されていても、取り扱い方を誤ると「事故」や「怪我」に繋がる危険性を孕むものであることを最初にご理解いただきたいと思います。


ご存じのように、CO2ボンベには二酸化炭素を液化した状態でボンベ内に封入してあり、ボンベ先端部に穴が開くと液化している二酸化炭素が一瞬で気体となって放出されます。二酸化炭素は液体から気体に変化する時、周囲の熱を奪いながらその体積が大きく膨張するのですが、エアガンの場合、この物理的現象をエネルギー(圧力)として利用しています。その圧力は非常に強力であることは説明不要でしょう。
また、CO2ボンベのガス自体とその高いガス圧は、エアガンの動力源だけではなく日用品や商用工業用にと様々に利用されています。

さて、ここでCO2ガスガンのマガジンの仕組みを見てください。
カーボネイト製品を含み一般的なCO2マガジンはボンベをマガジン内に設置し、底部からスクリュー等で締め込みボンベ先端部に穴を開けることで、ボンベ内の液化ガスが気体になってボンベ先端より放出される仕組みです。
マガジンには、ボンベ先端部に穴を開ける部分が備わっています(カーボネイト製品では「マガジンスタブ【スタブ=針】」と呼んでいます)。
スタブパーツは、「気密を保つ樹脂パーツ」と「針の部分」と「それらが組み込まれた器に当たる部分」で構成されています。この部分にCO2ボンベの先端部が押し付けられ一定以上の力が加わるとボンベの先端に穴が開きます。

CO2ボンベの危険性と安全な取扱い方法



【ケース-1(ボンベ先端部のサイズ誤差)】


このような経験はありませんか?


- ボンベ交換時にボンベを外そうとして、ボンベ先端部がマガジンスタブ部分に噛み込んでしまっていて抜けにくかった -


これ、非常に危ない状況です。

正常な状態であれば、マガジン底部にある固定スクリューを僅かでも緩めれば、ボンベ先端部はマガジンスタブ部分から離れます。
この時、もしボンベにガスが残っていてもボンベ先端部とマガジンスタブ部分の僅かな隙間から残留ガスが抜け出ます。ボンベ自体はまだ固定スクリューとマガジン本体に挟まれて取り出せないので、万が一、大量の残留ガスが噴出してもボンベ自体がガス圧で飛び出すということはありません(吹き出るガスは超低温なのでご注意!)。

しかし、「ボンベ先端が噛み込んでしまい抜けにくい状態」の場合は話が違います。
ボンベ先端部が噛み込んでいる場合、マガジン底部の固定スクリューを緩めてもボンベはスタブ部分からすぐには離れません。固定スクリューをマガジンから完全に外しても、ボンベ先端部が噛み込んだままの場合もあります。


- このような時、事前にボンベ内のガス残量確認をしていましたか? -


ガス残量確認をしていなかったのなら、もしかすると、ボンベそのものが「弾」のようになり、マガジンから発射されていたかも知れません。

なぜ、このようなことが起こるのか?
それは、CO2ボンベ先端部の直径にメーカー間で若干の差があったり、個体間で製造誤差があったりするからです(勿論、ボンベのサイズについては世界共通規格が存在します)。

下の画像のように、ボンベ先端の筒状の部分はマガジンスタブの器の部分の外縁とほぼ近い同径であることが一般的です。
スタブ部分の外縁に対してボンベ先端の直径が少しでも小さい場合は、マガジン底部の固定スクリューを僅かでも緩めるとボンベ先端部はスタブ部分からすぐに離れて隙間ができます。しかし、ボンベ先端部がスタブ外縁部の直径より僅かに大きいという組み合わせが起きた場合は、ボンベ先端部が無理やりネジ込まれる状態でスタブ部分に固定されるので「噛み込み」が起こります。

もし、残留ガスがある状態で「噛み込み」が起こっていることに気づかずに、マガジン底部の固定スクリューを一気に緩めたりマガジンから取り外したりした後、ボンベの噛み込み状態が何かのキッカケで外れると。。。噛み込みが外れた瞬間にボンベからガスが一気に放出され、固定されるものを失ったボンベが制御不能な状態で「暴れる」かもしれません。

CO2ボンベの危険性と安全な取扱い方法



【ケース-2(閉塞型構造CO2マガジン)】

CO2マガジンの中にはマガジンの外側からボンベが全く見えないものがあり、日本国内でも流通している現状があります。

このような構造のマガジンは、「固定スクリューの穴=ボンベを出し入れする穴」であることが多く、固定スクリューを緩めるだけではボンベの残留ガスが外に逃げることがありません。この為、残留ガスの有無は固定スクリューがマガジン底部から外れるまで気づかないことが多く、もし残留ガスがあった場合は、ガス放出と同時にそのガス放出の勢いによってCO2ボンベそのものがマガジンから飛び出してくる可能性があります。加えて、【ケース-1】のようにボンベ先端部がスタブ部分に「噛み込んで」いる場合、いつ噛み込みが外れるか分からず、更に予測不可能なリスクが増します。

CO2ボンベの危険性と安全な取扱い方法



【ボンベの安全な取り外し方】

装着されているボンベのかなりの部分がマガジンの外側から見える状態のマガジンであれば、【ケース-1】や【ケース-2】のような「ボンベ自体が飛び出す」リスクがかなり低いのは確かです。
ボンベ固定スクリューのネジ穴以外に「マガジン内のボンベ収納スペースとマガジン外側をつなぐ孔がある事」によって、ボンベ固定スクリューを緩めた際、仮にガスがボンベに残っていても速やかに残留ガスがマガジン外側に逃げるので、「噴射するガスによりボンベ自体が飛び出る」ということなくボンベを安全に取り外すことができます。

CO2ボンベの危険性と安全な取扱い方法


しかし、より確実で安全なボンベの取り外しのためには以下の操作を実施することをお勧めします。

1. ガス残量の確認
ボンベの固定スクリューを緩める前に、マガジンに組み込まれている放出バルブの中央部分(ニップル)を指で押してみてください。
ボンベに十分なガスがまだある場合は、ガスの圧力が保たれているのでこのニップル部分を指でなかなか押せません。
ボンベ内のガスが完全に無い場合やガス残量がごく僅かな場合は、ニップル部分を指で押すと動きます。

(注)残留ガスが吹き出る可能性がありますので、必ずグローブなど手を保護するものを着用して実施してください。

CO2ボンベの危険性と安全な取扱い方法


2. 固定スクリューの緩め方
ボンベの固定スクリューを緩める際は、最初はゆっくり少しだけ緩め、スクリューとマガジンによってボンベが挟まれている状態を保ったまま、ボンベ先端部に「噛み込みが無いことを確認」してください。噛み込みが無ければ、この時点で残留ガスはマガジンの外に完全に逃げます(但し、ガス逃がし孔がマガジン側面に無い閉塞型構造のマガジンは例外)。ガスが抜け切ったことを確認して、ボンベを取り外せるところまで固定スクリューを緩めます。

閉塞型構造のCO2マガジンの場合は、放出バルブを押す等をしてマガジンの残留ガス確認を確実に行い、ボンベ取り出しの際は人や物がない安全な方向を向け、万が一に備えて当て布などをした状態で固定スクリューを取り外すことが最善です。

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CO2ガスガンの利用が増えそうな今後、CO2ボンベとその着脱についての安全な操作を再度ご確認いただき、是非、ユーザー様のみならずフィールド様、ショップ様を含む業界全体で共有していただきたいと思います。そうしていただくことにより、予防可能な事故を未然に防ぎ、CO2ガスガンが危険であるという盲目的な悪印象を払拭し、持続的で健全な日本でのCO2ガスガンの発展の助けとなると考えております。


カーボネイト製品販売元
株式会社ハッチ




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Posted by honeyBee WAREHOUSE  at 19:21 │みつばち瓦版Carbon8/カーボネイト